今、これを書いているのは2020年5月27日。ファミコンで『ドラゴンクエスト』が発売されて今日でちょうど34年になります。
それまでパソコンのゲームでしかなかった「RPG」というジャンルを家庭用ゲームで確立。たちまち多くの子供やゲーマーを夢中にさせ、社会現象にもなるような人気を獲得しました。
それから30年以上。様々な変化を重ねながらもシリーズ作品を世に送り続け、『ドラクエ』はゲームに興味がない人でも認知されるほどの圧倒的な知名度を保ち、多くのゲーマーを魅了し続けています。
ここでは記念すべき初代ドラクエ『Ⅰ』について、改めてどんなゲームなのかを見ていきながら、現在はどんなハード・ゲーム機で遊ぶことができるの?といった疑問にも答えていきます。
ドラゴンクエストⅠの基本情報
- 発売日 :1986(昭和61)5月27日
- メーカー:エニックス(現スクウェア・エニックス)
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- メディア:ロムカセット
- ジャンル:ロールプレイング
- シナリオ・ゲームデザイン:堀井雄二
- キャラクターデザイン :鳥山明
- 音楽 :すぎやまこういち
- プログラミング:チュンソフト
- ディレクター :中村光一
- プロデューサー:千田幸信
どんなゲーム?
家庭用ゲーム機では初となる、オリジナルタイトルのロールプレイングゲーム(RPG)。
全方向スクロールのコマンド入力型RPGで、プレイヤーは主人公をフィールドで移動させながら、遭遇する敵を倒しゴールドを集め、レベルを上げていく。
獲得したゴールドで武器や防具を買ったり、洞窟などにある宝箱に入ったアイテムを獲得したりしながら、冒険できる範囲を広げ、成長させていく。
ゲームを途中で中断する時は、『ふっかつのじゅもん』と呼ばれるパスワードを覚えておき、次回遊ぶ時にはそれを最初に入力する事で、中断した時点から再開できる。
ゲーム世界の中心であるラダトーム城や、町にいる人々から情報を集めながら謎を解きストーリーを進める。最終的には「竜王」を倒し、さらわれたローラ姫を助けて、世界に平和をもたらすのが目的。
中世の西洋的な世界を舞台にした、勧善懲悪の王道的なストーリー。
ドラゴンクエストⅠの意義と功績
「社会現象」となるまでの人気
堀井雄二・鳥山明・すぎやまこういち・中村光一。このそれぞれの分野で傑出した才能と周囲のスタッフによって練り上げられた、珠玉のRPGにおける金字塔的ゲーム作品。
売上本数は150万本を記録。次作以降は発売日に量販店などで長蛇の列ができ、マスメディアに大きく取り上げられた。
社会現象と言える程の人気を博すようになり、ゲームを知らない一般の人にも「ドラクエ」が知られるようになった。
RPGの歴史を切り開いた
移植作などを除いてファミコンソフトでは当時それまでなかった、初の本格的RPG。
『ウルティマ』『ウィザードリィ』を代表とする、パソコンのゲームとしてのみ存在したRPGというジャンルを、家庭用ゲーム機であるファミコンに導入。
マニア層が多いパソコンユーザーのものだったRPGが、子供や一般的なユーザーへと広がり、RPGの大衆化に成功。以降のRPGゲーム人気のきっかけを作り、コンピューターゲームの新しい歴史を切り開いた。
ドラゴンクエストⅠの魅力
「堀井節」とも評される数々の名言&迷言
ゲームのシナリオは、ゲームデザインも担当し、「ドラゴンクエストの生みの親」である堀井雄二。
その堀井氏によって生み出された、ゲーム中の登場人物の数々のセリフ。ドラゴンクエストの世界観を特徴づける、コミカル・或いはシュール?とも言えるような、独特の魅力を放っている。
- 「おお○○○○!しんでしまうとは なにごとだ!」(主人公が力尽きて復活した後の王様のセリフ)
- 「へんじがない ただのしかばねのようだ」(洞窟などで、死体に話しかけた時のメッセージ)
- 「ゆうべは おたのしみでしたね」(主人公が姫と宿屋に泊った翌朝の宿屋の主人)
- 「もし わしのみかたになれば せかいのはんぶんを○○○○にやろう」(竜王)
- 「おいで ぼうや ぱふぱふしてほしいなら 50ゴールドよ」(城下町のお姉さん。漫画『ドラゴンボール』中のギャグより)
漢字表記がほとんど使えないスペックの低いファミコンならではの、ひらがなで書かれた珍妙なセリフ。現在のゲームには無い、独特の可笑しみを含んでいる。
キャラクターデザイン&音楽
人気漫画『Dr.スランプ アラレちゃん』『ドラゴンボール』の作者である鳥山明がキャラクターデザインを担当。
独特のタッチで生き生きと描かれた登場人物。また「スライム」「ドラキー」など、敵ではあるもののコミカルで可愛らしいモンスターなど、鳥山明による魅力的なキャラクターデザインが、このゲームの人気の柱ともなっている。
また音楽は、それまでにもテレビ番組・特撮番組 ・CM ・アニメ・ミュージシャンへの楽曲提供など、幅広く活躍していたすぎやまこういち。
クラシック音楽を根底とした、誰にでも親しみやすく優しい音楽は、ゲームをプレイする多くの人の心に響き、深く愛されて多くの支持を集めた。
ゲームの中の音楽を集めたサウンドトラックCDも大きく売り上げ、オーケストラ用にアレンジされてコンサートも開催。ゲームに付随したBGMでありながら、ゲームを離れて楽曲としても高く評価されている。
ものがたり
古しえの昔、ここアレフガルドの地は闇に包まれていました。
しかし、伝説の勇者ロトが、闇の支配者であった魔王を倒し、神から授かった光の玉で魔物たちを封じこめたので、この地に平和が訪ずれたといわれています。
光の玉は、アレフガレドを統治していたラルス1世の手に渡り、長い間、平和が続きました。
しかし、ラルス16世の頃、どこからともなく出現した魔の権化・竜王が、城から光の玉を奪い、闇に閉ざしてしまったのです。
そのため、世界は調和を失い、再び闇の時代がやってきました。
地には魔物たちがあふれ、いく人もの旅人たちが、その毒牙にかかりました。かつて旅人たちの目を楽しませた美しい野原も、毒の沼に姿をかえ、人々のゆく手をはばみます。
うわさでは、いくつもの町や村が、魔物たちにより、あとかたもなく滅ぼされたそうです。
アレフガルドの地に再び平和を!
しかし、竜王に戦いを挑んだ勇者たちは、誰ひとりとして生きて帰って来ませんでした。
それから何年が過ぎたでしょうか。
偉大なる予言者ムツヘタは、いいました。
「やがて、この地のどこかに、伝説の勇者ロトの血を引く者が現われる。その者が、竜王を滅ぼすであろう」と。
そう、伝説の勇者ロトの血を引く者、それが、あなたです。
この地に残る、勇者たちの数々の伝説を拾い集めながら、見事、竜王を倒してください。
あなたの冒険は、今、はじまったのです。
(取扱説明書より)
個人的な思い出
今から34年前の、1986年夏。
毎年のように、夏休みには祖父母の家に遊びに行ってた筆者は、母方の祖父母の家で、いとこが遊んでいたこのRPGを知りました。
父方の祖父母宅で初めてファミコンを体験した直後で、しかもそれまで遊んだアクションやパズル、シューティングやレースでもなく、初めての『ロールプレイングゲーム』。
何もかもが新鮮で、その時のワクワク感は34年が経とうとしている今でも心の中に残ってて、自分の中の宝物と言えるようなものです。
その後、筆者はドラクエのナンバリングタイトルは最新の『Ⅺ(11)』を除いてすべて遊んでいますが、その時のワクワクを超える感動はなく、やっぱり自分の中では『Ⅰ』が最高ですね。
今でも遊べるの?
『ドラゴンクエスト』は最初のファミコン版発売後、MSX・スーパーファミコン・ゲームボーイ・Wiiなどのゲーム機、さらにフィーチャーフォン(ガラケー)などに移植されました。
現行ハードでは、ニンテンドー3DS・Nitendo Switch・PS4、そしてスマホでも遊ぶことができます(すべてダウンロード配信)。
また、2018年7月発売の復刻ゲーム機『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン』にも収録されています。
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ちなみに初出のファミコン版は、新品で約15,000円~、中古で約700円~で購入できるようです。
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まとめ
以上、ファミコン及びゲームの歴史を語る上で避けて通れない国民的RPG『ドラゴンクエスト』について、社会に与えた影響や功績、魅力なども踏まえながら紹介してきました。
気が付けば発売からもう34年。ゲーム機はどんどん進化を遂げ、数えきれないほどの様々なゲーム作品が世に出ました。またゲームの内容も、色々と複雑になったり、洗練されたものが多くなってきてるような気がします。
そんな中でも『ドラゴンクエスト』はこれからも王道のRPGとして、変わるべきところは変わりながらも、ドラクエらしいある種の素朴さ・優しさ・温かさのようなものを失わず、続いていってほしいと思います。