2019年、スウェーデン・ドイツ・ノルウェー製作の映画『ホモ・サピエンスの涙』。
ストーリーは無く、時代や肩書も全く無関係の、それぞれの人々が生きる情景を淡々と綴っていく一風変わった作品ですね。
ここでは、『ホモ・サピエンスの涙』の概要や筆者が観てみた感想、配信サイトで無料で作品を観る方法についても紹介していきます。
『ホモ・サピエンスの涙』基本情報
- 2019年、スウェーデン・ドイツ・ノルウェー
- 上映時間78分
- 原題 :『Om det oändliga』
- 英題 :『ABOUT ENDLESSNESS』
- 言語 :スウェーデン語
- 日本公開 :2020年11月20日
- 監督・脚本:ロイ・アンダーソン
キャスト
- ナレーション:イエッシカ・ロウトハンデル
- 浮遊する男女:アンデシュ・ヘルストルム、タティアーナ・デローナイ
- 牧師 :マッティン・サーネル
- その他出演 :レスレイ・リヒトワイズ・ベルナルディ
アーニャ・ノバ
ヤン・エイエ・フェルリンク
トール・フライゲル
カリン・エングマン
マグナス・ウォールグレン
アントン・フォースディック
ファニー・フォースディック
『ホモ・サピエンスの涙』イントロダクション
スウェーデンの巨匠であり、“映像の魔術師”ロイ・アンダーソン監督が本作で描くのは、時代も年齢も異なる人々が織りなす悲喜劇。
構図・色彩・美術と細部まで計算し尽くし、全33シーンすべてをワンシーンワンカットで撮影した。
実在の名画の数々からインスパイアされた美術品のような贅沢な映像にのせて、「千夜一夜物語」(アラビアンナイト)の語り手を彷彿とさせるナレーションが物語へと誘う。
この世に絶望し、信じるものを失った牧師。
戦禍に見舞われた街を上空から眺めるカップル。
これから愛に出会う青年。
陽気な音楽にあわせて踊るティーンエイジャー・・・。
悲しみと喜びを繰り返してきた不器用で愛おしい人類の姿を、万華鏡のように映したアンダーソン監督渾身の傑作。
(公式サイトより抜粋)
『ホモ・サピエンスの涙』感想
ストーリーはある訳ではなく、固定されたカメラで脈絡のない短いシーンが切り替わっていく。
描かれるのは、製作国周辺と思われる欧州圏での、時代を超えた老若男女の悲喜劇。
予告編の映像ではコミカルな音楽が付けられてるけど、本編はたまに静かな音楽が流れるくらいで、人々のセリフもかなり少ない。
ただし、場面が切り替わるとたまに入る、若い女性のナレーションの声は良い感じだった。
カメラワークも無いので、まるで絵画のように動かない背景の中で、その場面に登場する人々の所作が観る側に否応なしに目に入ってくる。
それぞれのシーンの背景は、スタジオ内のセットである場合もあるようだが・・。
どことなく人工的だったり、殺風景だったり、何がしかの暗示をはらんだような、まるで緻密に構成されたシュールレアリスムの絵画のようでもある。
そんな背景の中で、時代も社会状況も立場も違う、老若男女それぞれの人々がふるまう様子。
それは、ドラマとも言えないようなちょっとした出来事だったり、男女の愛をめぐる諍いだったり、群衆につるし上げられた哀れな人であったり、戦争下での一場面だったりと、本当に脈絡なく様々なもの。
そして、たまに交わされるセリフは、時に哲学的だったり、短くても考えされられるような言葉だったりする。
まさに映画というよりは、言葉にならない何かを感覚的に訴える映像詩といった感じだ。
年若いカップルが交わす、エネルギーの総量とじゃがいもとトマトの話の場面。
魚売り場で、痴情のもつれからトラブルになる年老いた男女。
なぜか重たい十字架を背負い、人々にムチ打たれ罵られる老人。
また、脈絡もなく若い3人娘が踊る場面などが個人的に印象に残った。
そして、シーンの合間に現れる、廃墟となった街を俯瞰しつつ浮遊する男女。
この意味深な興味深い男女について、もう少し描写が増えた方が面白かったとも思うけど、実像は視聴者の想像に委ねるということであえて露出を抑えてるのだろうか。
日常のドラマにもならないようなちょっとした出来事や、男女の恋の始まりを予感するような微笑ましいシーンもある一方、身の危険が迫っていたり、まさに殺される寸前のような場面もある。
それでも、作品終盤にある老人が誰彼ともなく話しかけるように、「全ては、すばらしい」だろうか。
ともかく、普通の映画とはちょっと違った、言葉にならないような示唆を与えてくれる映像。
観たあとは、当たり前のように日々暮らしている私たち人類(ホモ・サピエンス)という存在について、俯瞰的な見方をちょっと深めてくれるような作品。
『ホモ・サピエンスの涙』 を無料で観るには?
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ただし、無料登録時に600円分のポイントがもらえるので、それを使って実質タダで本作品を視聴できます。
また、解約もいつでも可能です。
(※本ページの情報は2021年8月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)
まとめ
以上、映画『ホモ・サピエンスの涙』の概要や筆者が観てみた感想、配信動画を無料で観る方法についても紹介してきました。
大きく感動する場面はないものの、日々あくせくと暮らしている自分自身や周りの人たち、そして社会や人間という存在に対して、慈しむ気持ちを持てるような作品ですね。
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