1959年公開の映画『不道徳教育講座』。
三島由紀夫の同名エッセイを基に製作された、コメディタッチの映画ですね。
ここでは、『不道徳教育講座』の基本情報や筆者が実際に観てみた感想、無料で観る方法についても紹介していきます。
『不道徳教育講座』基本情報
- 1959(昭和34)年1月9日公開。
- 上映時間89分、モノクロ。
- 原作:三島由紀夫
- 監督:西河克己
- 脚本:窪田篤人、西河克己
- 音楽:黛敏郎
- 製作:日活
キャスト
- 相良文平(文政省次官)&藤村良助(刑務所上がりのチンピラ):大坂志郎
- 朝吹桂馬(校長) :信欣三
- 美也子(桂馬の妻) :三崎千恵子
- 圭一(桂馬の息子) :長門裕之
- 和美(桂馬の娘) :清水まゆみ
- 康二(桂馬の息子) :浅沼創一
- 桐野利夫(反対運動の男性):柳沢真一
- 大月麗子(女優) :月丘夢路
- 丘達也(麗子の昔の男) :岡田真澄
- 喫茶ルパンのマダム :初井言榮
- その他出演 :高島稔、植村謙二郎、佐野浅夫、松下達夫、天草四郎、高品格、浜村淳、藤村有弘、葵真木子ほか
- 特別出演・ナビゲーター :三島由紀夫
『不道徳教育講座』ストーリー
殺人以外のあらゆる悪事を働いた「世にも不道徳な男」藤村良助は、刑期を終え釈放された。
しかし出所早々、金銭トラブルで恨みを持つ二人組の男に追いかけられる。
「山城市」へ向かう寝台列車に乗り込んだ藤村。
変装が得意な藤村は、車内で見つけた文政省次官・相良文平に目を付ける。
そして寝ているところを襲い、相良に変装。とりあえず二人の男をまくことができた。
「道徳教育」を推進する相良次官として、山城市に着いた藤村。
1000万とも言われる「補助金」を目当てにする市長や警察署長、校長などのお偉方から、熱烈な歓待を受ける。
校長の家に泊ることになった藤村。
そこには、東京から帰ってきた女たらしの圭一、自らの処女を明け透けに売りに出す女学生の和美、なぜか銃を持っていて級友と物騒なことを企む康二という、3人の子供と妻が同居し、藤村と関わり合うことになる。
果たして藤村は、相良次官になり替わったまま、役人としての職務を果たしていけるのか?
また、つけ狙う二人組をやり過ごすことはできるのか——。
『不道徳教育講座』感想
ずいぶん昔に読んだけど、三島の書いた原作は短く章に分かれたエッセイ。
ストーリーがある訳でもないし、映画も「不道徳」がキーワードとなってるものの、原作の内容が特に反映されているという感じではない。
悪事の限りを働いたチンピラが、「道徳教育」を推進するお堅い役人という正反対の人間になり替わって、様々な騒動をわき起こすさまをコミカルに描いた映画。
冒頭、妖艶な女性の生足の後ろから、作者本人が登場。
この辺りの演出はちょっとワクワクさせてくれる。
三島は最初と最後、ストーリーとは関係なしにナビゲーター役として出てくる。
これはこれで良いけど、どうせならもっとストーリーの合間にでも登場する機会が多くなれば面白かったかも。
昔の映画はこれが普通なのかもだけど、セリフが早口で聞き取れないことが多い。
あと声で分かったけど、長門裕之が若い。昔はこんな感じだったのか。
喫茶店に入るなり大声で「処女」について話し合う、こちらも不道徳な女学生たち。
今の女子高生と比べると、何だか大人びているような感じも受ける一方、しゃべり方はおばあちゃんっぽくも思えるけど・・。
「一枚千円」で、自分の処女が当たるクジを売りつける校長の娘・和美。
それなりにキュートで、個人的にはこの映画の中で一番惹き付けられる俳優だった。
ナビゲーター役の三島が最初と最後で話した、「檻」や「道徳」について。
イマイチよく分からないけど、折に触れて考えてみよう。
今の時代からすると、演技はちょっとお粗末な部分も感じられるけど・・コメディ映画ということで、これはこれで「味」にもなるのかな。
でも後半の、圭一が妄想して夢の中でガンマン?になり、踊ったりする場面は不思議で面白かった。
モノクロで当時の空気を味わいつつ、「不道徳」と「道徳」のせめぎ合いのドタバタを気楽に楽しめる作品。
『不道徳教育講座』を無料で観るには?
『不道徳教育講座』は、『Amazonプライムビデオ』で観ることができます。
登録して「プライム会員」になった直後から30日間は、無料トライアル期間。
その間は、『不道徳教育講座』を含むAmazonプライムビデオの会員特典対象の作品を、無料で視聴できます。
また、無料期間中にいつでもキャンセル(解約)が可能です。
まとめ
以上、三島由紀夫原作の映画『不道徳教育講座』の概要や筆者が実際に観てみた感想、無料で観る方法について紹介してきました。
昔の映画特有の分かりにくい部分もあるけど、原作者も出てくるし、気楽に観られる古き良き時代のコメディ映画としてオススメです。