2020年夏期のNHKドラマ10『ディア・ペイシェント ~絆のカルテ~』。
いよいよ放送も、残りあと2回。
トラブル続きの主人公・真野千晶や同僚医師、認知症の母親など千晶の家族。
さらに最凶モンスターペイシェント・座間と病院との関係および正体などなど・・。
物語のクライマックスに向けて、それぞれに果たしてどんな結末が待ち受けているのか、ますます興味深くなってきましたね。
ここでは、第9回のあらすじ&感想をまとめていきます。
『ディア・ペイシェント』ドラマ概要
『ディア・ペイシェント ~絆のカルテ~』のスタッフや主要キャスト、ドラマの概要などについては、以下の記事をどうぞ。
第9回ゲスト出演
- 香田綾乃 (女性患者) :小林きな子
- 金田多香美(カネゴンの妻):西原亜希
第9回『それぞれの矜持』
あらすじ
陽子(内田有紀)の死は、佐々井記念病院に様々な混乱を生み出した。
院長の佐々井(石黒賢)と事務長の高峰(升毅)は、経営方針の違いを巡って対立を深めていた。
そのような中、同僚医師の金田(浅香航大)がモンスター患者に包丁で刺され、重傷を負うという事件が起きる。
次から次へと降りかかる院内の問題は、高峰の更迭という結果を招くことに。
一方、座間敦司(田中哲司)の行動が気になった千晶(貫地谷しほり)は、座間の家を訪れる。
そこには、貧困の中寝たきりの母を介護し、心中をしようとする座間の姿があった。
座間の抱えている問題を直視した千晶は、助けになりたいと申し出るが、座間から断られる。
(公式HP)
いなかのゆーいちの勝手な視聴前妄想
タイトルは『それぞれの矜持』。
第6回で千晶に、「自分は母親を施設に入れるような、鬼畜な真似はしませんがね」と迫った座間。
どんなに過酷でも一人で母を介護し、自分の素性を知られた千晶からの助けなど、絶対受けないという「矜持」なのだろう。
一方の千晶や、モンスターペイシェントに刺されるカネゴンの矜持って何だろう?
混乱の度を増していく佐々井記念病院の中で、院長(石黒賢)はマトモな人で終わりそう。
更迭される事務長は、きっとただでは引き下がらないのだろう。
この人と、「手下」的な事務局主任は誰が見ても怪しそうだけど・・。座間とつながってるのは、もっと意外な人だろうか?
涙をこぼしながら、母親の車いすを押して崖に進んでいく座間。
そのまま落ちるのか?やっぱり踏みとどまって引き返すのか?
それとも千晶に見つかって、大事にならずに済むのかな?
視聴後感想
今回はまるで手のひらを返したように、座間の弱さが描かれた回だった。
序盤の診察場面でさっそく登場。千晶に盗んだマニュアルについて責められ、いつものように逆切れする座間。
しかしその後の場面では、自分の母親の診察で自宅に来た医師に、高飛車な態度を取られる。
「すいません」と敬語で従い、言われた通り窓を開ける座間。
病院の前で事務局主任の沼田と話してる所で、千晶を見つけると、ササッと走り去ってしまった。
千晶いわく、自分の顔を見て逃げ出す座間は初めてらしい。
直前まで親密そうに座間と話してたのに、「逃げられてしまって・・」と、千晶に不自然な説明をする沼田。
やっぱりこの人を怪しげに描いてるけど、次回で座間との関係が明らかになるのかな。
さらに座間と老母のシーン。
一緒に海へドライブしてかいがいしく海鮮丼を食べさせ、涙を流しながら車いすを押して、海岸の崖へと向かっていった。
背景の広い海と晴れやかな青空。そして状況も分からないものの、好きなマグロを食べてうっすらと笑みを浮かべている老婆。
そんな中でただ一人、深い心の闇と苦しみにとらわれた座間との対比が鮮やかで、印象的な場面だった。
その後の診察で、千晶にお土産を渡そうとするが拒否され、「あんたなんかに、俺の気持ちなんて分からないだろ」と捨て台詞を吐いて診察も受けずに去る。
落としたレシートの購入履歴に、練炭・ロープ・包丁など、自殺を思わせる道具が。
そして最後の場面。わざわざ座間の粗末な家に出向き、老母のうめき声を聞いて、中に入ってしまう千晶。
患者に寄り添うのが医者の使命とは言っても、自分を散々いじめたあの最凶モンスターペイシェントの巣窟に、わざわざ乗り込むとは・・。
土砂降りの雨と雷鳴がとどろく中、いつ座間が現れるか、観てる側には恐怖の時がしばらく流れハラハラした後、ついに登場。
千晶の申し出に対し、
「貧乏人だって、誇りってものがあるんだよ!」
「高い所にいる奴には分からないだろう!そういう同情や憐れみで、傷つく人間がいるってことが!」
自分も正社員になった事はほとんどなく、非正規のワーキングプア状態がずっと続いてこの年まで生きてきたけど・・。たとえ能力や収入は低くても、誇りは持っていたいですね。
でも世の中には、「社会という枠組みから、こぼれ落ちそうになって」生きている人も多くいるのが現実。
生活のために、誇りやその他大切な、色んなものを捨てざるを得ないような状況の多くの人達。
メディアなどでは報じられず、私達が知らない(または見ようとしない)所で、人知れずもがき苦しんだりしながら存在している人達が、きっと数多くいるのだろう。
それ以外の大きなイベントとしては、カネゴンが肥満気味の女性患者に刺された。
この人には、「誇り」なんてものは大した意味は無いのかも。
高い誇りや信念を持つ人と、その真逆の人が一緒にいると、色々と摩擦が起きますね。
それにしても、カネゴンの奥さん(西原亜希)が意外と地味・・。
高峰事務長、いつも千晶に悪意を持った態度で接したように思うけど・・。
最後の場面では、「あなた方が考えてるほど、病院の経営は甘くはない」と言う言葉を残し、潔く去っていった。
病院に残る選択肢も残されていたが、自分の「矜持」を通したという事か。
この消え方だったら、この人が「クロ」って訳ではないのかな。
そして、千晶のお母さんは「誤嚥」のトラブルで入院してしまう。
娘として、母との残り時間を一緒に過ごすために、病院を辞める決意をしようとする千晶だが・・。
果たして実際にそうなるのか、それとも陽子先生の遺志を継ぎ、やっぱり病院に残るのか。
一気にガラッと、座間の「ざま」が描かれた今回。
これまで徹底的に、「最凶モンスターペイシェント」の絶対的な悪として登場してきた座間だったが、今回はこれでもかと繰り返し、過酷な状況や苦しみが描写されていた。
「どんなに悪そうに思える人間でも、抱えている弱さや苦しみ」
「他人を見る私たちの差別や偏見」
みたいなものを考えさせるようなメッセージが、込められているのかな。
まとめ
以上、『ディア・ペイシェント ~絆のカルテ~』第9回のあらすじ&感想をまとめてみました。
次回はいよいよ最終回。
座間の正体、そして千晶のこれからなどについて、どんな決着が待っているのか楽しみですね。
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※本ページの情報は2020年9月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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