『ディア・ペイシェント』最終回感想【座間と千晶の生きる先は?】

『ディア・ペイシェント』最終回あらすじ&感想

2020年夏のNHKドラマ10『ディア・ペイシェント ~絆のカルテ~』。

 

理不尽なクレームをぶつける、いわゆる「モンスターペイシェント」。

一方で、『患者様ファースト』を掲げる病院との板挟みで、疲弊し苦悩する女性医師を描いたドラマ。

 

いよいよ最終回(第10回)の今回は、最凶モンスターペイシェント・座間と病院とのつながり、また主人公・真野千晶の進む先について、答えが示されます。

 

ここでは、最終回のあらすじ&感想をまとめていきます。

 

目次

『ディア・ペイシェント ~絆のカルテ~』ドラマ概要

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最終回『私の願い』

あらすじ

高峰(升毅)が去り、佐々井院長(石黒賢)のもとで改革が進む病院内で、千晶(貫地谷しほり)は今日も診療を続けている。

そこへ、また座間(田中哲司)が現れた。

 

なぜか座間はロビーで歌っている。そして、「やっと終わる」と呟いて去っていこうとした。

追いかける千晶。

そこへ、認知症の患者・浅沼知恵子(鷲尾真知子)が運転する車が暴走して突っ込んできた。

千晶は難を逃れるが、座間は意識不明の重体となる。

 

一方、千晶は、実家の診療所を継ぐかどうかで迷っている。

家族との話の中で、父の徹(伊武雅刀)は、まだ都会に残って医学の勉強をしろと千晶の背中を押す。

 

佐々井記念病院に戻った千晶は、意識を取り戻した座間と対面する。

そこで千晶は、座間が今まで千晶につきまとっていた本当の理由と、座間の抱えていた苦悩を知ることになる。

(公式HP)

 

いなかのゆーいちの視聴前予想

座間が千晶に付きまとっていた本当の理由と、その苦悩とは何だろう?

 

千晶が知らない所で、座間の母親の治療に何らかの形で関わってたのだろうか。

それとも、同じ医師である千晶の父親、または母親や妹との間で、何かあったとか?

 

座間が、病院内の事情について詳しく知っていたのは、院内の誰かとつながってたからと言うのは間違いないだろう。

一番怪しいのは、やっぱり事務局主任の沼田。

あと、更迭された高峰がやっぱり関係あって、最終回に再び出てくるのか。

座間とつながってたのは、一人ではなく病院内に複数いたのか。

 

あと、全く予想もしなかった人が、座間と共謀していたとか?

カネゴン・医院長・警備員・受付の美咲・その他病院スタッフ。

まさか陽子先生とか?・・そんな訳ないか。

 

感想

終わった・・。

 

前回ガラッと弱さをあぶり出された座間がのっけから登場し、最後の派手な嫌がらせ。

テーブルの上に乗って調子の外れた胴間声で、『上を向いて歩こう』を絶唱。

警備員さんは何をしてるんだろうか。思わず笑ってしまったが・・。

 

そして最後の病室の場面との、あまりにもかけ離れた落差を面白く観た。

 

 

やはりつながってたのは、あの人だったか。

意外な人かもと思ってたけど、その辺りはサプライズ無しで。

 

 

千晶の妹の言葉「人って、なんで大切なことに、後からしか気付けないんだろう」

 

今の世の中、あまりにも経済や利益、仕事優先の社会。

人が死んだり大きなトラブルが起こらない限り、事なかれ主義で不都合な真実を見ようとしなかったり、正しい行いをする人が排除されたり・・。

 

既得権益にしがみついて変わりたくない人ばかりで、中々改善できなかったり変わらなかったりする、会社や組織が多いのだろう。

また表向きは華やかで明るくても、一方では閉鎖的で希望を持てない、鬱々とした空気が淀んでいる現代。

 

「千晶も、過酷で理不尽で、倒れそうになることもあるだろうが・・。誠実に、患者を癒し続ける人でありなさい。」

と父親に背中を押され、佐々井記念病院に残ることを決めた千晶。

そして、「真摯に患者さんと向き合いたい。誠実であり続けたい。」

と新たな決意をもって、笑顔で患者さんと接する千晶。

 

千晶が座間に言ったように「今は、生きにくい時代なのかも知れない」けど・・。

千晶やその父親、また陽子先生のように、自分を信じて誇りをもって、誠実に生きていければと思う。

 

 

そして印象に残ったのは、最凶モンスターペイシェント・座間の、全編を通した描かれ方。

 

8話までは所々で母親を介護する場面がありつつも、気味の悪い絶対的悪としてのストーカー・クレーマー患者として、視聴者に徹底的に憎まれるように見せていた。

 

ところが9話では一気に座間の苦しみ・弱さがクローズアップ。

最後には、彼も大きな苦悩を抱え込んで、社会の枠組みからこぼれ落ちそうになってる弱者として、見る側に理解と共感を植え付けた。

 

確かに座間の行った行為は、犯罪ではあるが・・。

「自己責任」という言葉をもってそれ以上の思考を停止し、事情も何もよく知らないまま他者を裁き排除する、安全・安心ではあるものの不寛容な、今のこの国の社会。

及び、クリーンではあるものの不完全な存在を認めようとしない、あまりにも息苦しく、人間らしさをどんどん失いつつあるこの時代。

 

この作品における座間の描き方は、そういった社会に生きる私たちに問いかける、強烈なメッセージのように思えた。

 

 

民放では、視聴率度外視でこういったドラマは作れるのかどうかは、よく知らないけれども・・。

今の社会や自分の生き方を考えさせられたり、勇気づけられたりするようで、見ごたえのある作品でした。

 

まとめ

以上、『ディア・ペイシェント ~絆のカルテ~』最終回のあらすじ&感想をまとめてみました。

 

このドラマで、それぞれの登場人物を演じる俳優も印象に残ったし、他に出演してる作品も見てみたくなりました。

他の作品を観たあと数年たって見直したら、また違った点で面白さを感じられると思います。

 

何はともあれ、個人的には人間関係のドロドロした内容が楽しめたし、色々と考えさせられる奥深さもあって、印象に残る良いドラマでした。

 

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※本ページの情報は2020年9月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

 

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